万葉の時代から「かにはの田井に芹摘みける」と歌われ、人々の暮らしの中に溶け込んで、香りのよい若葉は食用とされてきました。田の畦や溝のへりなどの湿地に、自然に青々と育つセリは、春の使者に相応しく、平安時代には人を恋い慕う心を、「芹摘む」という言葉で歌にあらわしたそうです。

春の七草の一番初めにあげられるのも無理ありません。けれども、四季を通じて葉は青く、夏には清楚な白の花をつけます。葉はビタミン、ミネラルが豊富で、さっと茹でておひたしにしたり、汁に散らしたり、辛し和えや胡麻和えにして、さわやかな歯ざわりと香りを楽しめます。

この頃は、栽培されたものが八百屋の店先にいつも見られるようになりました。ミズゼリ、タゼリ、ヤマゼリなどがあり、どれも食用になります。昔から「夏ゼリは食べるな」といわれますが、これは夏に猛毒のドクゼリが育ち、間違えて食べないようにという注意でしょう。


■セリの薬効

1. しもやけ
セリはしもやけの特効薬です。しもやけになったら、軽いうちに葉をもんだ生汁をマッサージしながら患部に塗り、すり込みます。生汁には血行を良くする働きがあります。交互浴といって、各1分ずつ10回位冷水と熱い湯の中に患部を交互に浸してから、生汁を塗り、よくすり込むと一層効果があります。

2. 黄疸
黄疸らしいとわかったら新鮮なセリをすり鉢でよくすり潰し、水を加えて裏ごししたものを火にかけて、一煮立ちさせたものを飲むと効果があります。これは解毒もするので、ハシカ、肺炎、インフルエンザなどにもよく効くし、二日酔い、歯茎の出血にも即効があります。

3.その他
葉緑素、葉酸、鉄分等が多いので貧血、便秘を治し、血液浄化を助けます。従って、常食していると、高血圧、更年期障害、リウマチ、神経痛に有効です。

【出典】「薬草の自然療法」難病も自然療法と食養生で治そう 東城 百合子著

■<セリとドクゼリの見分け方

① セリは春先の摘み草の頃は、草丈10〜15㎝位で、花期でもせいぜい30㎝程度です。ドクゼリは芽だしから大きく、長い葉柄が目立ち、花期には1mに達します。セリは春先の摘み草の頃は、草丈10〜15㎝位で、花期でもせいぜい30㎝程度です。ドクゼリは芽だしから大きく、長い葉柄が目立ち、花期には1mに達します。


② セリは葉に特有の香りがあります。

③ ドクゼリの根元をよくみると、たけのこ状の太い地下茎があります。

【出典】セリとドクゼリ(有毒)

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