とろろ汁にすると美味しい山芋は、大和芋、長芋、つくね芋などの種類がありますが、自然薯と呼ばれるのが山野に自生する山芋です。これはまさに自然からのジャンボな贈り物です。長いもので1メートルから1メートル半位もあります。

自然薯は栽培されたものより水分が少なく、細胞も細やかで成分も多く含むので、病弱者には薬です。自然薯のとろろ汁を食べ慣れると美味しいもので、栽培のものは風味もなく物足りないものです。

昔から山芋を食べると精がつくといわれていますが、これは酵素が多く、腸内細菌の働きをよくするからです。そして粘膜に活力をつけるので整腸し、浄血を助け、体細胞の働きも強めます。病弱な方や長患いの病人にとっても貴重な食物です。

また、山芋は大変消化がよいのです。澱粉消化酵素のアミラーゼが大根より多く、4~5%も含まれています。山芋の澱粉そのものもとても消化が良いので、一緒に食べた他の食物の消化も促します。

「正月の松の内にとろろを食べると中風にかからない」といわれますが、運動不足で過食気味の正月、胃がもたれるため流れを悪くして弱って硬化した細胞が寒さと共にバクハツしやすいのを予防してくれる訳です。また、コレステロール過多の予防にもなります。風邪が流行しているときにも、山芋と梅干を忘れずに食べましょう。


■山芋(自然薯)の薬効

1. 消化促進、下痢
アミラーゼ、クレアーゼ、オキシターゼ、グルコシターゼナドノ酵素が腸内細菌の働きをよくするので、消化を助け、下痢などの障害を取り除きます。下痢や胃腸障害のときは、とろろ入りの味噌雑炊を食べるとよいでしょう。

2. 強精
山芋のぬめりにはグロブリンとマンナンが含まれ、これらが強壮力を助けます。常食していると体力がつき、呼吸器の弱い人、虚弱者、ノイローゼの人などのスタミナを増強します。

また、糖尿病や腎臓病、生殖器障害の人も常食すると整腸され、血行もよくなり、自然に治ります。自然薯ならなおさらよいのは勿論です。

■食べ方

山芋の酵素は、熱を加えると酵素作用が失われるので、生ですりおろします。とろろ汁をつくるときは、昆布や削り節でとった出し汁でのばしていきます。その場合、酵素を生かすために、汁は人肌位に冷ましてから加えます。

そのほか、すりおろした山芋に海苔などを巻いて食べてもよく、納豆に山かけにすれば、納豆の酵素の働きともあいまって健康的な食べ方になります。忙しい朝などには生ですりおろし、うずらの卵を1個おとし、のりをまぶして醤油で食べるのもよいでしょう。

【出典】薬草の自然療法 東城 百合子著

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