ホメオパシーの原理、類似の法則とは?

端的に表現すれば、「毒を毒を制す」という考え方であり、熱には熱で対処し、下剤で下痢を治療するということですが、実際はこれほど単純ではありません。

かつて、イカ墨から作られたインクを舐めながら書き物をした女性に、うつ病、肝臓病、涙もろくなるなどの症状が発生したことがあります。

そこでホメオパシーでは、セピアを用います。

セピアとは、イカ墨から作られたホメオパシー薬のことです。

但し、ホメオパシーでは薬が気が遠くなるほど希釈されているため、使用にあたり、原材料が何であるか、神経質に詮索する必要はありません。

ハーネマンの時代にも、

「反対治療の法則は誤っている。同様の病気を引き起こす薬によって病気は消散し、治療をもたらす」

という考え方がありました。

その点、現代医学では、とんでもない毒性、副作用のある新薬を直接、しかも大量に投与して、症状を無理矢理抑えようとし、その際、何故そのような症状が発生するのか、その根本原因は余り重要視されません。

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古代のピポクラテスが、

・類似物質による治療と反対のものによる治療

の二種類の治療に言及しているように、ハーネマン以前の研究者も、

・下痢を起こすルーバーブが下痢の治療に
・疝痛を起こすセンナが疝痛の治療に

使用されることに注目していました。

そしてハーネマンは、マラリア治療の自然薬であるキナ樹皮がマラリア治療に有効なことに不審を抱き、自分自身の体で実験しました。

こうして、キナは健康な人に与えると、マラリアそっくりの症状を生じることを発見しました。

「一日二回服用すると、指先、足先が冷たくなり、眠くなる。

心臓の動機が始まり、脈拍が強く、短くなる。

不安感、震えが発生、四肢が弱くなる。

東部に脈動が感じられ、頬が赤らみ、喉が渇くなど、マラリアの間欠熱にすべての症状が次々と出現。

周期的な発作が、毎日2~3時間続いた。

キナの服用を止めると、正常に戻った」

ハーネマンは、キナ樹皮がマラリアに効くのは、キナ樹皮が体内に人為的な病態を発生させるからであると説明しています。

マラリア患者にキナ樹皮を用いた時に、「類似の法則」によって治るならば、健康人の症状さえわかれば他の薬剤も同様に使える、と考えました。

ハーネマンは、健康人に症状を起こす物質には、病人の同様の症状を治す力があると確信しました。

彼のもとに集まった同志の医師たちは、様々な薬を服用して、自ら実験を始め、6年間に渡り詳細な記録を集めました。

その際、ハーネマンは、ドイツ語、英語、フランス語、ラテン語、ギリシア語、アラビア語に通じていたため、膨大な古今の医学書を活用出来たと言います。

このようにしてハーネマンらは当時まで不治とされていた疾病の多くの治療法を発見していったのです。

また、ハーネマンは「類似の法則」に加え、

・病気は、その兆候が示す健康人の健康状態の変化に過ぎない。同様に病気の治療も、病人を健康な状態に変化させることによってのみ可能

・感覚や機能に依存するが、健康状態を変化させ得ない薬は病気を治せない。

・薬の効力は、人間の健康状態を変える力のみによる

などの洞察をも得ました。

【出典】自然療法 笹川 英資著

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